グルジア語 勉強庁
文 法: 動 詞
be動詞, 現在形と未来形
マーク  introduction
 英語のbe動詞にあたる動詞「〜です(動名詞:q'opn-aの現在形と未来形についてまとめます。
 〈参考〉Aronson 3.1.7 pp.65-66/エクスプレス pp.22-23, p.26, p.65
マーク  contents
1. q'opn-a の現在形
2. q'opn-a の未来形

0.はじめに

 英語のbe動詞にあたる動詞の呼び名は、ここでは動名詞形の q'opn-a を用いることにします『エクスプレス』では、3人称単数現在形から არისaris)と呼んでいます。見た目は全然違いますが同じ動詞です。

1.q'opn-a の現在形

 動詞 q'opn-a の現在形は微妙に不規則なので、そのまま覚えるしかなさそうです。とはいえ語幹が arar-i なので、英語の am/is/are に比べれば楽勝です。特徴は2人称の人称接辞が (KH) になる点です。
 発音のヒント:英字転写の KH は、のどの奥で息をこする摩擦音です。弊サイトではひらがなの「は」行で表しています。
 目上の人や初対面の相手に対しては、相手がひとりでも2人称複数形を用います。
マーク 動詞「〜です」の現在形
人称 単数 複数
1   -არ -არ-
  (v-ar) (v-ar-t)
2   -არ   -არ-
  (KH-ar)   (KH-ar-t)
3   არ--   არ--ან
  (ar-i-s)   (ar-i-an)
  短縮形 (a)  
 参考 ☞ Aronson p.66/エクスプレス p.23, p.26
マーク 短縮形:3人称単数には (a) という短縮形があります。この短縮形は母音の後ろに付き、直前の語と一体的に書かれます。
マーク 1人称と2人称については、単数と複数の違いが語尾 (t) の有無だけなので、下の表のように単数と複数をまとめて表すことができます。慣れればこちらの形式のほうが見やすいと思います。
 カッコ内の (t) を付けたものが複数形(私たち、あなた方、敬称のあなた)です。付けないものが単数形(私、君)です。
人称
変化形
1
-არ (-)
v-ar (-t)
2
-არ (-)
KH-ar (-t)
3 単
არ--
ar-i-s
 
短縮形 
a
3 複
არ--ან
ar-i-an
 
参考 ☞ Aronson p.66/エクスプレス p.23, p.26
マーク 短縮形:3人称単数には (a) という短縮形があります。この短縮形は母音の後ろに付き、直前の語と一体的に書かれます。
— 短縮形の例 —
(母音に付く例)ダビットはグルジア人です
დავითი ქართველი არის (daviti  kartveli  aris)
    → დავითი ქართველი (... kartveli-a)
※ Aronson本には子音に付く短縮形として აა (aa) の形が出ていますので、それも載せておきます。使用頻度はわかりません。
(子音に付く例)本はそこにあります
წიგნი იქ არის (TS'igni  ik  aris) → ... იქაა (... ik-aa)
〈出典〉☞ Aronson p.66
形容詞の後ろに短縮形の a を付けると「〜です」という文になります。
・興味深いです
საინტერესო (saint'ereso-a)
〈出典〉☞ Beginner's p.48
マーク 補 足
 変化表のオレンジで網掛けした v, KH, t、そして緑で網掛けした san が変化部分です。具体的にいえば、
 ・v主語が1人称であること
 ・KH主語が2人称であること
 ・t主語が複数であること(3人称を除きます)
を示します。一方、
 ・san はそれぞれ現在形の3人称単数と複数を示す語尾です。
 マーク 1. 1 否 定 

マーク 文を否定形にするには動詞の直前に否定辞 არ (ar) を置きます。
マーク 1・2人称ვარ() (var (t)) と ხარ() (KHar (t)) に対して:口調の関係から一般に არა (ara) が使われるようです。
マーク 3人称単数の短縮形:否定文では短縮形は使われず、通常の形が使われます。
〈参考〉☞ エクスプレス p.23/Aronson p.150 注8/Beginner's pp.60-61

 わかりやすいように表にしてみます。
 上の表と同様、語尾に (t) が付くのが複数形です。

動詞「〜です」の現在形の否定
人称 単数 複数
1 არა  არ ()
ara  v-ar (-t)
2 არა  არ ()
ara  KH-ar (-t)
3 არ  არ არ  არან
ar  ar-i-s ar  ar-i-an
 参考 ☞ エクスプレス p.23/Aronson p.150 注8/Beginner's pp.60-61

2.q'opn-a の未来形

 動詞 q'opn-a の未来形(英語のwill be)は、語幹が -kn- になる点を除いて規則的です。これはi型の2類動詞に属します。
 ☞ この動詞の変化については「動詞, 2類動詞の現在形と未来形」の 1.2 (b) をご覧ください。

 1・2人称の単数と複数は接辞 (t) が違うだけなので、下の表では単数と複数をまとめて表しています。語尾に (t) が付くのが複数形です。
人称
変化形
1
--ქნ-ებ-(-)
v-i-kn-eb-i (-t)
2
   -ქნ-ებ-(-)
   i-kn-eb-i (-t)
3 単
   -ქნ-ებ-
   i-kn-eb-a
3 複
   -ქნ-ებ-იან
   i-kn-eb-ian
 
参考 ☞ Aronson p.66/エクスプレス p.65
revisions
2015.1.08 表まわりを少し加筆・変更しました。
2014.10.21 現在形の表とその前後を少し整理しました。
2013.3.17 初版(文法「第一歩・前編」から現在形を分離し、未来形を加筆)