1. 動詞の命令法(移動の動詞以外)
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1.動詞の命令法(移動の動詞以外)
移動の動詞を除き、2人称の命令形「〜しなさい」「〜してください」には過去形を使います。命令形に過去形を使うとは変な感じですが、そういう言葉なので仕方がありません。
ただ、過去形を使うことで、他動詞では動作の対象となる名詞(〜を)を格変化させずに主格のまま使えます。たとえば「コーヒーをください」という場合、コーヒーは主格で済みます。文法的に言うと「他動詞の命令法の直接目的語は主格」です。詳細は機会があれば過去形のところで触れたいと思います。
命令と依頼
旅行者の場合、直接的な命令を言う機会は少なく、たいていは「〜してください」のような依頼として使うことでしょう。依頼を表すには2人称複数形を使います。フランス語やロシア語と同じ要領かと思います。
さらに以下のような言葉を添えると丁寧になります。やや長いですが……。
・お願いします თუ შეიძლება(tu SHeiDZleba) 英語のplease
・よろしければ ძალიან გთხოვ(DZalian gtKHov) 英:if may I ask
・差し支えなければ თუ არ შეწხდები(tu ar SHeTS'KHdebi)
〈出典〉Beginner's p.200
〔変化形〕
命令法2人称の変化形は原則的に下の表のようになります。依頼形は語幹に -et または -it を付けます。命令法2人称は過去形の2人称をそのまま使いますので、詳細は「動詞, 過去形と願望法」をご覧ください。
人称 | 単数・複数(tを付けると複数形=依頼形) | |
1・3類と 2類i型動詞 |
□-ე (-თ) | |
[ ]-e-t | ||
2類d型動詞 | □-ი (-თ) | |
[ ]-i-t |
〔語幹〕
語幹は、未来語幹に語幹接尾辞があればそれを取ります。なければ、そのままです。
(語根動詞〔語幹接尾辞をもたない動詞〕のうち語根母音が e である動詞の一部では、この e を i に変えます。)
〔例〕
・書く 3単・未来 დაწერს (da=TS'er-s)→ 書いてください დაწერეთ (da=TS'er-e-t)
・与える 3単・未来 მასცემს (ma=sTS-em-s) 〔不規則〕
→ 私にください მომეცით (mo=m-e-TS-i-t)
参考 ☞ エクスプレス p.87, p.103
「〜するな」「〜しないでください」という否定命令には命令法は使いません。通常の現在形または未来形の動詞の直前に否定詞 ნუ (nu) を置きます。
参考 ☞ エクスプレス p.56/Aronson 6.3 p.145
1人称複数の命令形(〜しましょう)と3人称の命令形(第三者は〜すべきだ、せよ)については省略します。
2.動詞の命令法(移動の動詞)
移動の動詞における2人称の命令形は次のようになります。
前綴り+ დი (+di) / დით (+di-t)
参考 ☞ Aronson 6.3 p.145/エクスプレス p.48
〔例〕
・地下鉄で行ってください მეტროთი წადით (met'ro-ti TS'a+di-t)
・夕食までには来てください ვახშმამდე მოდით (vaKH SHma-mde mo+di-t)
〈出典〉エクスプレス pp.46-48
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2014.10.19 | 過去形のページへのリンク追加 |
2013.3.20 | 初 版 |