グルジア語 勉強庁
文 法: 動 詞
命令法
マーク  introduction
 動詞の命令法(命令形)について取り上げます。
 〈参考〉Aronson 6.3 (p.145)/エクスプレス p.48, p.87/Beginner's p.200
マーク  contents
1. 動詞の命令法(移動の動詞以外)
2. 動詞の命令法(移動の動詞)

1.動詞の命令法(移動の動詞以外)

 マーク 1. 1 2人称の命令形

 移動の動詞を除き、2人称の命令形「〜しなさい」「〜してください」には過去形を使います。命令形に過去形を使うとは変な感じですが、そういう言葉なので仕方がありません。
 ただ、過去形を使うことで、他動詞では動作の対象となる名詞(〜を)を格変化させずに主格のまま使えます。たとえば「コーヒーをください」という場合、コーヒーは主格で済みます。文法的に言うと「他動詞の命令法の直接目的語は主格」です。詳細は機会があれば過去形のところで触れたいと思います。

 「命令法」と「命令形」という言葉を併用していますが、違いはあまりありません。しいていえば命令法は用法、命令形は変化形、という程度です。

マーク 命令と依頼

 旅行者の場合、直接的な命令を言う機会は少なく、たいていは「〜してください」のような依頼として使うことでしょう。依頼を表すには2人称複数形を使います。フランス語やロシア語と同じ要領かと思います。

さらに以下のような言葉を添えると丁寧になります。やや長いですが……。
・お願いします თუ შეიძლებაtu SHeiDZleba英語のplease
・よろしければ ძალიან გთხოვDZalian gtKHov英:if may I ask
・差し支えなければ თუ არ შეწხდებიtu ar SHeTS'KHdebi
〈出典〉Beginner's p.200

〔変化形〕
 命令法2人称の変化形は原則的に下の表のようになります。依頼形は語幹に -et または -it を付けます。命令法2人称は過去形の2人称をそのまま使いますので、詳細は「動詞, 過去形と願望法」をご覧ください。

〈命令法の2人称=過去形〉
人称 単数・複数(tを付けると複数形=依頼形)
1・3類と
2類i型動詞
□- (-)
[  ]-e-t
2類d型動詞 □- (-)
[  ]-i-t
 参考 ☞ Aronson 5.3 pp.112-116; 8.1.4, p.204/エクスプレス p.86, p.92

〔語幹〕
 語幹は、未来語幹に語幹接尾辞があればそれを取ります。なければ、そのままです。
(語根動詞〔語幹接尾辞をもたない動詞〕のうち語根母音が e である動詞の一部では、この ei に変えます。)

〔例〕
・書く  3単・未来 დაწერს (da=TS'er-s)→ 書いてください დაწერეთ (da=TS'er-e-t)
・与える  3単・未来 მასცემს (ma=sTS-em-s) 〔不規則〕
          → 私にください მომეცით (mo=m-e-TS-i-t)
 参考 ☞ エクスプレス p.87, p.103

 マーク 1. 2 否定命令

 「〜するな」「〜しないでください」という否定命令には命令法は使いません。通常の現在形または未来形の動詞の直前に否定詞 ნუ (nu) を置きます。
 参考 ☞ エクスプレス p.56/Aronson 6.3 p.145

 マーク 1. 3 1、3人称の命令形

 1人称複数の命令形(〜しましょう)と3人称の命令形(第三者は〜すべきだ、せよ)については省略します。

2.動詞の命令法(移動の動詞)

 移動の動詞における2人称の命令形は次のようになります。
  前綴り+ დი (+di) / დით (+di-t)
 参考 ☞ Aronson 6.3 p.145/エクスプレス p.48

〔例〕
・地下鉄で行ってください მეტროთი წადით (met'ro-ti TS'a+di-t)
・夕食までには来てください ვახშმამდე მოდით (vaKH SHma-mde mo+di-t)
〈出典〉エクスプレス pp.46-48

revisions
2014.10.19 過去形のページへのリンク追加
2013.3.20 初 版