1.名詞・形容詞→動詞(〜にする、なる)
名詞や形容詞の語幹を ა(a)と ებ(eb)で挟むと、〈〜にする〉という意味の1類動詞になります。前綴り(動詞接頭辞)の多くは გა(ga)ですが、და(da)のこともあるようです。
1類動詞 〜にする
前綴り + 前母音 ა(a)+〈名詞・形容詞の語幹〉+ 語幹接尾辞 ებ(eb)
この1類動詞からd型の2類動詞を作ると、〈〜になる〉という動詞ができます。
d型2類動詞の作り方:前母音 a を取り去り、語幹と語幹接尾辞 eb の間に d を挿入。まとめると以下のようになるでしょう。
2類動詞 〜になる
前綴り + 前母音 ა(a)+〈名詞・形容詞の語幹〉+ დ(d)+語幹接尾辞 ებ(eb)
− 例 −
美しい(形容詞) ლამაზი(lamaz-i)
美しくする(1類) გაალამაზებს(ga=a-lamaz-eb-s) 3人称単数形未来
美しくなる(2類) გალამაზდება(ga=lamaz-d-eb-a) 3人称単数形未来
興味(名詞) ინტერესი(int'eres-i)
興味を持たせる(1類) დააინტერესებს(da=a-int'eres-eb-s) 3人称単数形未来
興味を持つ(2類) დაინტერესდება(da=int'eres-d-eb-a) 3人称単数形未来
〈参考・出典〉Aronson §3.5.1
2.名詞→形容詞
2. 1 sa-□-o
名詞の語幹を სა(sa)と ო(o)で挟むと、対応する形容詞になります。
− 例 −
興味(名詞) ინტერესი(int'eres-i)
興味深い(形容詞) საინტერესო(sa-int'eres-o)
名声(名詞) პატივი(p'at'iv-i)
尊敬すべき(形容詞) საპატიო(sa-p'at'i-o)*
*注)母音 o, u の前の v は一般に脱落するようです。
☞ Aronson §1.11.1
〈参考・出典〉Aronson §4.6.1
2. 2 □-ur/ul-
名詞の語幹に ურ(ur)を付けて形容詞をつくるパターンもあります。明記はされていませんが、語末の a は落ちるようです。串カツの二度付け禁止ではありませんが、語幹に r があると、接辞は ურ(ur)ではなく ულ(ul)になります。
− 例 −
化学(名詞) ქიმია(kimia)
化学的な(形容詞) ქიმიური(kimi-ur-i)
文法(名詞) გრამატიკა(gramat'ik'a)
文法の(形容詞) გრამატიკული(gramat'ik'-ul-i)
〈参考・出典〉Aronson §4.6.2
2. 3 国に関する形容詞
上記§2.2のように、国名の語幹に ურ(ur)〔語幹に r があるときは ულ(ul)〕を付けると、国名が形容詞になります。ただし、この形容詞は事物(人以外)や言語(××語)に使います。人を形容する場合(××人の)は ელ(el)を付けます。
国名の語幹末が ეთ(et)のときはこれを落とします。
また一般の形容詞と同様、単独で使うと名詞(××語や××人など)として使えます。
事物:国名の語幹 + ურ(ur)/ულ(ul)+ 語尾
人 :国名の語幹 + ელ(el)+ 語尾
− 例 −
- 国名
- 事物・言語
- ××人
- アメリカ
- 〜の、〜語(の)
- 〜人(の)
- ამერიკა
- ამერიკული
- ამერიკელი
- amerik'a
- amerik'-ul-i
- amerik'-el-i
- ロシア
- 〜の、〜語(の)
- 〜人(の)
- რუსეთი
- რუსული
- რუსი
- rus-et-i
- rus-ul-i
- rus-i(例外)
- 日 本
- 〜の、〜語(の)
- 〜人(の)
- იაპონია
- იაპონური
- იაპონელი
- iap'onia
- iap'on-ur-i
- iap'on-el-i
※コーカサスなど一部の地域では、民族名から国名やその形容詞が作られます。
グルジア人 kartv-el-i
グルジア sa-kartv-el-o
グルジアの kart-ul-i
〈参考・出典〉Aronson §4.6.3/エクスプレス p.66
3.〜する人
3. 1 名詞→関連職人:me-□-e
名詞の語幹を მე(me)と ე(e)で挟むと、対応する職業や役割の人になります。
− 例 −
パン პური(p'ur-i)
パン屋 მეპურე(me-p'ur-e)
ドラム დოლი(dol-i)
ドラマー მედოლე(me-dol-e)
3. 2 動詞→する人:m-□-el, El, Ar, Al
・基本は
現在語幹
・
前母音があれば取る
・
語幹接尾辞の
i は取る。-
av, am は縮退する(母音の
a が落ちる)
動詞の主な構成要素
前綴り |
人称接辞 |
語 幹 |
活用語尾 |
人称接辞 |
前母音 |
語 根 |
語幹接尾辞 |
▸ 前綴(つづ)り:文法用語では「動詞接頭辞」といいます。
▸ 語幹接尾辞:「P/FSF」と略すことがあります。
|
〈参考〉Aronson 2.0 (pp.40-41), 表B.1 (p.465)/エクスプレス p.45, p.58
接辞 ელ(el)を付ける。一部の -e は縮退*する。
-el/El ではなく -Ar〔語幹に r があるときは Al〕を付けるものもあるようです。
※弊サイトでは縮退する母音を大文字の英字(この場合は E, A)で表します。
− 例 −
① -el-
管理・運営する მართავს(mart-av-s)
経営者 მმართველი(m-mart-v-el-i)
翻訳する გადათარგმნის(gada=targmn-i-s)
翻訳者 მთარგმნელი(m-targmn-el-i)
② -el が未来語幹に付くもの
読む იკითხავს(i-k'itKH-av-s)
読者 მკითხველი(m-k'itKH-v-el-i)
③ 接辞が付かないもの
発見する აღმოაჩენს(aGH-mo+a-CHen-s)
発見者 აღმომჩენი(aGH-mo+m-CHen-i)
〈参考・出典〉Aronson §5.7