グルジア語 勉強庁
文 法
造語法⑴
マーク  introduction
 ある単語から新しい語を派生させる造語法を集めてみます。
マーク  contents
1. 名詞・形容詞 → 動詞(〜にする、なる)
2. 名詞 → 形容詞
3. 〈〜する人〉
造語法⑵
4. 抽象名詞の派生
1.名詞・形容詞→動詞(〜にする、なる)
 名詞や形容詞の語幹を a)と ებeb)で挟むと〜にする〉という意味の1類動詞になります。前綴り(動詞接頭辞)の多くは გაga)ですが、დაda)のこともあるようです。
マーク1類動詞 〜にする
前綴り + 前母音 a)+〈名詞・形容詞の語幹〉+ 語幹接尾辞 ებeb
 この1類動詞からd型の2類動詞を作ると〜になる〉という動詞ができます。
 d型2類動詞の作り方:前母音 a を取り去り、語幹と語幹接尾辞 eb の間に d を挿入。まとめると以下のようになるでしょう。
マーク2類動詞 〜になる
前綴り + 前母音 a)+〈名詞・形容詞の語幹〉+ d)+語幹接尾辞 ებeb
− 例 −
美しい(形容詞) ლამაზიlamaz-i
美しくする(1類) გალამაზებga=a-lamaz-eb-s) 3人称単数形未来
美しくなる(2類) გალამაზებga=lamaz-d-eb-a) 3人称単数形未来
興味(名詞) ინტერესიint'eres-i
興味を持たせる(1類) დაინტერესებda=a-int'eres-eb-s) 3人称単数形未来
興味を持つ(2類) დაინტერესებda=int'eres-d-eb-a) 3人称単数形未来
〈参考・出典〉Aronson §3.5.1
2.名詞→形容詞
マーク 2. 1 sa-□-o
 名詞の語幹を საsa)と o)で挟むと、対応する形容詞になります。
− 例 −
興味(名詞) ინტერესიint'eres-i
興味深い(形容詞) საინტერესsa-int'eres-o
名声(名詞) პატივიp'at'iv-i
尊敬すべき(形容詞) საპატიsa-p'at'i-o)*
*注)母音 o, u の前の v は一般に脱落するようです。 ☞ Aronson §1.11.1
〈参考・出典〉Aronson §4.6.1
マーク 2. 2 □-ur/ul-
 名詞の語幹に ურur)を付けて形容詞をつくるパターンもあります。明記はされていませんが、語末の a は落ちるようです。串カツの二度付け禁止ではありませんが、語幹に r があると、接辞は ურur)ではなく ულul)になります。
− 例 −
化学(名詞) ქიმიაkimia
化学的な(形容詞) ქიმიურkimi-ur-i
文法(名詞) გრამატიკაgramat'ik'a
文法の(形容詞) გრამატიკულgramat'ik'-ul-i
〈参考・出典〉Aronson §4.6.2
マーク 2. 3 国に関する形容詞
 上記§2.2のように、国名の語幹に ურur)〔語幹に r があるときは ულul〕を付けると、国名が形容詞になります。ただし、この形容詞は事物(人以外)や言語(××語)に使います。人を形容する場合(××人の)は ელel)を付けます。
 国名の語幹末が ეთet)のときはこれを落とします。
 また一般の形容詞と同様、単独で使うと名詞(××語や××人など)として使えます。
事物:国名の語幹 + ურur/ულul+ 語尾
人 :国名の語幹 + ელel+ 語尾
− 例 −
国名
事物・言語
××人
マーク アメリカ
〜の、〜語(の)
〜人(の)
ამერიკა
ამერიკულ
ამერიკელ
amerik'a
amerik'-ul-i
amerik'-el-i
 
マーク ロシア
〜の、〜語(の)
〜人(の)
რუსეთ
რუსულ
რუს
rus-et-i
rus-ul-i
rus-i(例外)
 
マーク 日 本
〜の、〜語(の)
〜人(の)
იაპონია
იაპონურ
იაპონელ
iap'onia
iap'on-ur-i
iap'on-el-i
 
※コーカサスなど一部の地域では、民族名から国名やその形容詞が作られます。
 グルジア人 kartv-el-i
 グルジア  sa-kartv-el-o
 グルジアの kart-ul-i
〈参考・出典〉Aronson §4.6.3/エクスプレス p.66
3.〜する人
マーク 3. 1 名詞→関連職人:me-□-e
 名詞の語幹を მეme)と e)で挟むと、対応する職業や役割の人になります。
− 例 −
パン პურიp'ur-i
パン屋 მეპურme-p'ur-e
ドラム დოლიdol-i
ドラマー მედოლme-dol-e
マーク 3. 2 動詞→する人:m-□-el, El, Ar, Al
・基本は現在語幹
前母音があれば取る
語幹接尾辞i は取る。-av, am は縮退する(母音の a が落ちる)
  動詞の構成要素を確認する
マーク 動詞の主な構成要素
前綴り 人称接辞 語 幹 活用語尾 人称接辞
前母音 語 根 語幹接尾辞
  前綴(つづ)り:文法用語では「動詞接頭辞」といいます。
  語幹接尾辞:「P/FSF」と略すことがあります。
〈参考〉Aronson 2.0 (pp.40-41), 表B.1 (p.465)/エクスプレス p.45, p.58
接辞 ელel)を付ける。一部の -e は縮退*する。
 -el/El ではなく -Ar語幹に r があるときは Al〕を付けるものもあるようです。
※弊サイトでは縮退する母音を大文字の英字(この場合は E, A)で表します。
− 例 −
-el-
管理・運営する მართავსmart-av-s
経営者 მართელm-mart-v-el-i
翻訳する გადათარგმნისgada=targmn-i-s
翻訳者 თარგმნელm-targmn-el-i
-el が未来語幹に付くもの
読む კითხავსi-k'itKH-av-s
読者 კითხელm-k'itKH-v-el-i
接辞が付かないもの
発見する აღმოაჩენსaGH-mo+a-CHen-s
発見者 აღმოჩენaGH-mo+m-CHen-i
〈参考・出典〉Aronson §5.7
revisions
2014.11.17 3節を追加
2014.11.02 2.3節を追加
2014.10.29 2.2節を追加
2014.10.28 2.1節を追加
2014.10.20 初 版